住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者調査」によると、
「今後の金利は上昇する」と予想した人が増えたようで、
変動型・固定期間選択型の利用者が減少し、全期間固定型を選ぶ人が増加したとか。
金利上昇に伴って返済額が増加した時、どんな対応をしますか?
マンションリフォーム研究所スタッフの近藤です。
■金利タイプ別返済負担率の構成比
変動型と固定期間選択型の返済負担率構成比を多い順に見ると、
15%以内→20%以内→25%以内の順となっています。
一方、全期間固定型は、15%以内→25%以内→20%以内となっています。
■金利上昇で返済額が増加したらどうする?
最も多いのは、「返済額圧縮、あるいは金利負担軽減のため、一部繰り上げ返済する」
という回答です。そのほか、
・そのまま返済を継続(資金に余力がある人)
・金利負担が大きくなれば全額返済
・借り換えといった方法での対応を予定している人がいる一方、
「見当がつかない・わからない」という声が約2割を占めています。
■「退職金で完済」は避けましょう
住宅ローン完済までの数十年には、
・転職や休職など、収入が減るリスク
・教育費や予定外の出費など、支出が増えるリスク
・金利が上昇するリスクという、誰の身に起きてもおかしくない3つのリスクがあります。
特に50代以降は自身や配偶者の健康不安、親の介護、子供の成長による教育費増など、
収入減と支出増のリスクがより高まります。そのリスクを考慮せず、
「退職金で完済する」という計画を立てる人がいます。
しかし、退職金は将来の年金生活を支えるための柱。
収支のバランスが崩れた時の貴重な資金にもなります。
慎重に検討したいですね。
■平成28年度末の住宅ローン延滞率
住宅金融支援機構が今月公表した資料によると、
・1か月延滞率・・・0.60%
・2か月延滞率・・・0.15%
・3か月延滞率・・・0.10%
・4か月延滞率・・・0.17%となっています。
5か月以降のデータが無いのは、延滞者が
『分割で支払える権利』を失う(=期限の利益の喪失)からでしょう。
競売や自己破産を避け、毎月確実に返済するためには、
無理のない返済額に抑えることが必須です。
そのほか、収支の変化や金利上昇時に慌てないために、
手持ち資金確保の計画や借り換えなどについての
勉強もしておきたいですね。