輸入材が流通し始めてから数十年が過ぎました。輸入材は国産材より安価なので、
価格重視の人に人気があります。
マンションリフォーム研究所スタッフの近藤です。
「○○県の〇〇材でないと嫌だ!」と、千キロ以上離れた地域から木材を取り寄せる人もいます。
木材にこだわりがありますか?
■針葉樹と広葉樹
針葉樹と広葉樹の違いは外見だけではありません。細胞や組織の成り立ちも違います。
針葉樹の組織は単純で、単純な細胞が整然と配列しています。
広葉樹の組織は複雑で、様々な機能を持った細胞がそれぞれの能力を基に分業しています。
針葉樹は、構造が単純なので軽くて柔らかいのが特徴です。広葉樹は、複雑な構造なので重くてかたく、
種類によって性質が異なるのが特徴です。ちなみに、地球に針葉樹が登場したのは約3億年前だとか。
それに対し、広葉樹の登場は約1億5千~1億年前で、針葉樹が進化したものが広葉樹だと言われています。
針葉樹より広葉樹の方が複雑なのも納得ですね。
■見た目と香り
単純な構造の針葉樹は、木目も単純です。
広葉樹の木目は複雑で、種類によって大きく異なります。
香りが強い針葉樹に対し、針葉樹の香りはごくわずかです。
木の香りには、癒し効果のほかダニやカビを抑制する働きもあります。
そのため、針葉樹を多用した家づくりを好む人もいますが、
香りに敏感な人は、強い香りが体調に影響を与えるため、
構造体などの主要部分にだけ針葉樹を用いるなどの工夫をしています。
■違いを体感
キズが付きにくい床材が良いなら広葉樹。
キズが付きやすくても柔らかさを優先したいなら針葉樹。
それぞれの好みによって、選ぶ木材は異なります。
選ぶ業者は、どこにどんな木材を使うのでしょう。
木材によって、香りや肌触りにどんな違いがあるのでしょう。
その違いは体感しないとわかりません。直接触れて確かめたいなら、業者に相談してみるといいですよ。
■価値観の違い
「国産材は輸入材より優れている」 「国産材も輸入材も、それほど大きな違いはない」
「国より木の種類の違いを重視すべき」など、専門家の間でもいろんな意見があります。
その地域の森林を守ることを優先する業者は、他の地域の木材を使うことにすら否定的です。
それぞれの業者は、自分の価値観に基づいて木材を選んでいます。
新居を構成する大切な木材です。しっかり確認しておきましょう。