住まいの暖房や換気
マンションリフォーム研究所スタッフの近藤です。
灯油やガスなど、燃料を燃やして室内の空気を暖める暖房器具のことを
『開放型暖房機器』といいます。
ファンヒーターやストーブが、これに該当します。
炭素と水素から成り立っている燃料は、
それを燃やす過程で水を生み出します。
灯油を燃料とした場合、灯油1リットルに対し、
1.1リットルの水分が発生します。
■温度差は結露のもと
家族がいるリビングは石油ファンヒーターで暖房。
隣室は誰もいないから、節約のために無暖房…。
そんな家庭は少なくないのではないでしょうか。
室内と屋外も含め、隣り合った場所の温度差が大きいほど、
結露のリスクは高まります。
外壁や内壁の断熱性を高めても、
室内で水分を生み出す作業を続けていれば
結露を防ぐのは難しくなります。
■国民生活センターによるテスト(2007年)
テストは、換気扇などの設備のない
一般的なプレハブ住宅の6畳洋室の部屋を使って行われました。
設定温度20度での室内空気の汚染を調べるものです。
結果、部屋を閉め切って使用した場合、
わずか10分前後で、二酸化窒素濃度が
健康保護のための目安となる濃度を超えることがわかりました。
高濃度の二酸化窒素は、健康な人でさえ粘膜や気道に刺激を受けたり、
肺の機能低下などの呼吸器障害が発生するとか。
体重当たりの呼吸量が大人よりも多い子どもたちは、
大人以上に影響を受けやすいともいいます。
結露や空気汚染のリスクを減らすため、
住まいの断熱性だけでなく、暖房や換気の方法についても
しっかり考えておきたいですね。
■よくよく考えると…
ストーブの上にはお湯がたっぷりのヤカン。
外干しでは乾かない洗濯物を室内干し。
ポカポカのコタツで、夕食はアツアツの鍋料理。
それらから発生する水分の合計って…。
冬にありがちな光景ですが、よくよく考えてみると怖いですね。